審判メカニクス


父兄審判員が、中学に上がってきて一番面食らうのがメカニクスだと思います。小学生の競技場区画と違い、中学からは公式サイズ(プロと同じ)になりますので、2・3歩動けば良いという範囲では無くなります。特に毎日鍛えている子ども達と違いますから、一瞬の遅れが命取りです。

 

「塁審と球審 どちらが楽ですか」

 

 毎回、1年生父兄の何人かは言いますが、果たして球審よりも塁審の方が楽でしょうか。初心者審判員向けに、各審判員の基本的な役割を簡単に書きます。

 

 球審

(野球では、各審判員の分担制ですので、主審はおりません。ご注意下さい。)

  •   ・投球のジャッジ
  •   ・本塁でのジャッジ
  •   ・1塁審が外野飛球を追った場合の1塁での蝕塁確認およびジャッジ
  •   ・クロックワイズによる3塁でのジャッジおよびタッグアップ確認

 

 1塁審

  • 1塁でのジャッジ
  • クロックワイズによって、本塁でのジャッジ
  • 外野飛球(左中間~ライトファウルテリトリーまで)のジャッジ
  • スライド(またはリミング)によって、1塁走者の2塁でのジャッジ

 

 2塁審

  • 2塁でのジャッジおよびタッグアップ確認
  • 外野飛球(レフト~ライト)のジャッジ
  • クロックワイズによって、1塁でのジャッジ
  • スライドによって、2塁走者の3塁でのジャッジ

 

 3塁審

  • 3塁でのジャッジおよびタッグアップ確認
  • 外野飛球(レフトファウルテリトリー~左中間まで)のジャッジ
  • クロックワイズによって、2塁でのジャッジ
  • 3塁走者の動きによっては、本塁でのジャッジ

 

 如何でしょう。どの塁も責任範囲(守備範囲)が広いですよね。どのポジションもそれぞれに役割があり、簡単には出来ません。初心者の方はよく3塁を選ばれますが、プロの審判員は、ベテランの方が3塁審を努め責任審判員となる場合が多いようです。何故でしょう。かなり深い意味があります。

 

「クロックワイズ」

 ご存じの様に、審判員の基本的な動き方ですが、小学生の父兄審判員の方々は、ほとんど動けていない様に感じます。リトル経験の方は、動き方はご存じの様ですが、やはり競技場の大きさが違いますし、リトル独特の考えがある様で、最初は戸惑っている様に見受けます。ちょうど、子ども達が中学からの硬式球に戸惑うのと同様ですね。

 

 クロックワイズの考えは、誰かが飛球を追った場合に空いてしまう塁をカバーする事です。これを時計回りに動くので「クロックワイズ」と呼ばれます。

 

 このクロックワイズの動き方は「審判メカニクスハンドブック」という教則本に書かれていますが、この本には、飛球に対する最初の動き方しか記載がありません。これを基本としたフォーメイションを、当該試合の審判員が組み立てて行わなければいけません。そのために、各審判員の意思疎通が重要ですし、考え方なども共有していないといけません。上に書いた(心構え)9番の意味がここにあります。

 

「スライド」

 上記のクロックワイズに反して、反時計回りにカバーリングする事を「スライド」と呼びますが、この動き方が難しいです。

 

 基本的に、スコアリングポジションの場合に行いますので、球審は「ステイ」(=本塁から大きく離れられない状態)です。例えば、この様な時に3塁審が打球を追った場合には、2塁3塁のカバーを2塁審が、1塁2塁のカバーを1塁審が行います。昨年から、1塁審は打者走者の動きに合わせて2塁をカバーする際に、内野に切れ込まなくても良くなりました。そのまま、外野側を進む動きでも良い事になりましたので注意が必要です。この動き方を「リミング」と呼びます。

 

 ※「リミング」を用いる場合の目安は、外野飛球が1-2塁間の延長線上よりもセンターより なのか、レフトよりなのかを基準とすると良いです。レフトよりならリミングで。センターより なら、内野に切れ込んでピポットターンで。練習してみてください。

 

「ラインドライブ」

 内野へのライナー対しては、その打球が一番よく見える位置にいる塁審が判定します。基本的にはその野手のグラブの腹側の塁審(オープン・グラブ・ポリシーの原則)となりますので、きちんと打球に反応して、廻り込む・なるべく近くで・よく見える位置取り、をしっかり行いましょう。

 

「トラブルボール」

 ライン際の打球・野手が前進して地面すれすれで捕る打球・野手が背走する打球・野手が集まる打球、をトラブルが発生しやすい事から「トラブルボール」と称して警戒します。審判員は良い角度をとりながら出来るだけプレイに近づいて判定をしてください。

 

 

(記述:原山)


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